菊の花


──────


「清煉、いるか?」

静かな部屋で清煉を呼ぶ声だけが響く。

「何でしょう」

スッと現れる清煉。

「向こうはどうなっている?」

声の主は清煉をじっと見つめる。

「いつもと変わった様子はありません。婚礼の準備は着々と進んでいるようです」

清煉はいつものように無表情で淡々と話す。

「そうか、下がっていいぞ」

「はい」

清煉は姿を消す。

「着々と・・・か」

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