菊の花
──ドサッ──
何か塊が御簾の中に放り込まれる
「きゃあ!」
紗羅は悲鳴をあげて将にしがみつく
「何者だ!」
将は背後に紗羅移動させる
「・・・・」
相手は何も言わない
「・・・!?桔梗じゃないか!」
すぐに将と紗羅は倒れている桔梗に近寄った
「桔梗様!桔梗様!」
必死に呼び掛けるも反応をしめさない
すると、将は桔梗の腕をとり脈をはかる
「大丈夫です。脈はあります」
「良かった・・・」
紗羅は安堵の息をもらす
「しかし、危険です・・・」
将の目線の先には先ほど清煉を庇って斬られた傷口があった
「私に任せて下さい。応急処置ならできます」
「しかし・・・」
「このままでは桔梗がどうなるか分かりません!」
「・・・では、お願いします」
そうして紗羅は桔梗の患部の手当てをした