菊の花


──ドサッ──

何か塊が御簾の中に放り込まれる

「きゃあ!」

紗羅は悲鳴をあげて将にしがみつく

「何者だ!」

将は背後に紗羅移動させる
「・・・・」

相手は何も言わない

「・・・!?桔梗じゃないか!」

すぐに将と紗羅は倒れている桔梗に近寄った

「桔梗様!桔梗様!」

必死に呼び掛けるも反応をしめさない

すると、将は桔梗の腕をとり脈をはかる

「大丈夫です。脈はあります」

「良かった・・・」

紗羅は安堵の息をもらす

「しかし、危険です・・・」

将の目線の先には先ほど清煉を庇って斬られた傷口があった

「私に任せて下さい。応急処置ならできます」

「しかし・・・」

「このままでは桔梗がどうなるか分かりません!」

「・・・では、お願いします」

そうして紗羅は桔梗の患部の手当てをした

< 50 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop