菊の花
私はその女に近づいた。
興味を持ったのだ。
汗一つかかずに生きた者を無下にするその能力に。
私が近づくと女は私に殺気を向けたが私の顔を見るなり私の前に跪いた。
「紗羅様とは知らずとんだ無礼を、一瞬でも貴方に殺気を向けた私を殺して下さい」
「よかろう」
私は刀を構える。
私に見つからなければよかったものを・・・
私はそう思いながら刀を振り上げようとしが静止した。
「そなた、私に忠誠を誓えるか?」
私の言葉に女は俯けていた顔を上げて、目を丸にして私を見つめた。
「聞いているのか?」
「はい、聞いております」
「ならば答えよ。」
「ならば、誓います」
女は真剣な眼差しを私にむけた。