あなたの後ろ姿
始業式も終わり、放課後。
3時45分の空はまだ蒼々としていた。
「今日も部活〜?」
そう言って飛び付いてきたのはあや。
「もちろん!部活好きですから〜」
「だょね〜(笑)あたしも今日部活だから一緒に帰ろ!校門で待ってるから!」
「オッケー!」
帰りの約束をして、あたしは教室を飛び出した。
あたしの教室から一番遠い教室。
そこがあたしの好きな場所であり、あたしの居場所だった。
階段を駆け上がり向かうのは【音楽室】。
「こんにちは〜!今日のメニューは?」
そう言いながら鞄を置き、ピアノへ向かう。
合唱部も今日から3年目なんだな。
ちなみにあたしは、ソプラノでパートリーダーだった。
小さい時から歌が大好きだったあたしは、合唱部に入るためにこの学校に来たようなものだった。
たぶんこの学校の文化部の中で一番忙しい部活。
土日もほとんど部活で、休みはあんまりなかった。
あたしは部活が大好きだからよかったけれど、そのせいもあってか…政章は変わった。
「じゃあ、今日は3ページの5小節目からやるよ〜」
「「はいっ!」」
元気よくて可愛い後輩たちがあたしの癒しでもあった。