Dearest...



始業式も終わり、HRも終わると下校時間になった。


可奈たち3人はU駅方向へ向かうため、下校の時はいつも私1人だけ正反対の方へと帰る。


「じゃあね!また明後日ね!」


「バイバーイ!」


校門のところで分かれ、私は自転車に乗って漕ぎだす。


なぜ明後日なのか…それは明日は入学式なのに、在校生だけ休みになっている。


去年もそうだったよなぁ…。


それにしてもこの学校の桜って本当にきれいだなー…。


花びらが散りながらの下を歩いたり、自転車で駆け抜けたりするとまた気分が少し違うようにも感じるんだよね。


そう思うのは私だけかもだけど。


しばらく進んだところで、誰かが携帯をいじりながら待っている姿が見えた。


よく見ると…真人くんだ!


「真人くん!?ここで何やってるの?」


「あっ、舞!お前を待ってたんだよ!」


「私を?」


上原 真人(うえはらまさと)…同い年の高校生。

< 12 / 38 >

この作品をシェア

pagetop