Dearest...
結果は意外なことに、私のいる山村先輩のチームが、進藤先輩のチームに勝ってしまった。
鈴木先輩が不思議そうに私に問いかけてきた。
「ねえ、上原さんって本当にバスケ初心者?」
「はい。まったくの初心者です。
体育の授業でやるくらいで、今日みたいに本格的にやったことは、本当に一度もないです」
私は正直にそう答えた。
だって本当に初心者だもん…他にどんな答えがあるんだろう。
それに運動神経は、悲しいことに悪い。
そんな私がいきなり長距離のシュートを一発で決めた時のみんなの表情は、かなり驚いていた。
中でも驚いたのは私なんだけどね。
「上原さん、バスケの才能あるよ!
俺たちが言うんだから、間違いねえよ!」
「そうだよ舞!
先輩たちが褒めるぐらいだもん!
あたしも保証する!」
亜季が自信満々に言い、絢乃も同じことを言った。
「上原さん、これからもよろしくな」
「はい!」
こうして、私のバスケ部の初日が終わった。