Dearest...
第2章 トラブル
新学期が始まって2週間が過ぎた頃のことだった。
朝いつも通りに学校へ行くと、可奈が深刻な表情で昇降口で私のことを待っていた。
可奈の表情に気づかなかった私は、普通に声をかけた。
「可奈!おはよう!」
「おはよう舞ちゃん…」
「可奈…どうした?」
いつもと違う可奈に何か嫌な予感を感じた私は、問いかけた。
そして可奈はしばらく沈黙を貫いていたが、静かにその口を開き、答えてくれた。
「あのね…さっき渡辺さんが、"舞はあたしの物なんだから、近づくんじゃねえよ!"って私に言ってきたの…。
それでムカついて"舞ちゃんは物じゃないから、そんな言い方よくないよ"って言ったの。
そしたら…"舞と絶交しなかったら、あんたの中傷ビラをバラまく"って脅されたんだ…」
何…それ…。
何であいつが可奈にそんなひどいこと言うの!?
許せない…
絶対許さない…!
でも可奈の口から聞いたのはそれだけじゃなかった。