Dearest...
「亜季…あんたが見たら絶対キレるよ?」
「どれ?」
そう言って、教室の中を覗く亜季。
そして…
「何であいつがいるの!?」
やっぱりね…。
紗友里の姿を見た亜季の怒りは一気に頂点に達した。
亜季も紗友里のことが大嫌いで、これまでに何度も紗友里から嫌がらせを受けてきた亜季。
終いには変な噂を流されたこともあるから、なおさら彼女のことが嫌いだった。
気づけば紗友里の周りには、友達と呼べる子なんて1人もいなかった。
「まあ関わる気なんてさらさらないし!」
「それは私も可奈も一緒!」
「同感!」
廊下で3人で話していると、紗友里が出てきた。
私たちのほうを見るなり、いきなりやってきて私の腕を掴み、どこかへ連れて行こうとした。
それを見た可奈と亜季がすかさず止めに入った。
「ちょっと!うちらと話してるんだから邪魔しないでよ!!」
「くだらない話をしてるんなら、後でだっていいでしょ?
あたしは今すぐ舞と話がしたいの」
笑いながら言い、私を強引に非常階段へと連れ出す。
紗友里に掴まれた腕を振りほどくと、悲しそうな顔をした。