真輔の風

いくら泣き叫んでも男たちはニヤニヤして… 

しかし、何故か性交、レイプは無かった。

横井晴美は… 
実が男たちにやられていたところは覚えている。


茜は、昨夜は皮が剥けるほど何度も体を洗った。

それでも男たちの手の感触は消えなかった。

今も… と放心状態で歩いていた茜の隣に車が止まり、

見覚えのある顔が… 


茜はとっさに逃げようとした。

しかし、その男は笑いながら携帯電話を出してカメラを見せた。

そこには… 
男に体を弄ばれて顔をゆがめて泣いている茜が写っていた。

一瞬にして茜の血の気が失せ、体が動かなくなった。

カメラは… あの時、宮村君が飛び込んできて、

男の一人が持っていたデジタルカメラを壊してくれた。

他の男に携帯電話カメラでも写されていたのだ。

頭の中が真っ白になり、どうすることも出来ず、

茜は言われるまま車に乗った。


その光景は誰が見ても、

知り合いに出会って、

誘われて自分から車に乗ったと映ったことだろう。


車には見覚えのある三人の男がいた。

男たちは昨日の余韻が残っているように、

車中でも茜を抱きしめ、頬ずりをして、

スカートの奥へと手を入れて動かしている。


茜は身動き出来ないまま体を固くして恐怖の中にいた。

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