真輔の風

「じゃあ、出かけてくるよ。」



「また本屋かね。」



祖母が行き先を尋ねている。



「うん、父さんに貰った図書券が残っているから、
西神中央の本屋へ行ってくる。」



「推理小説を買うのか。」



本屋と聞き、栄作も声を出してきた。



「いいものがあれば、ね。

先週、外国のモノ、原作本を頼んだ。

全部英語だからうまく読めるか心配だけど、
挑戦してみようと思って。

それはまだ届いていないから夏休みにゆっくり読もうと思っている。」



「そうか、英語の勉強にもなるな。」





また推理小説を買って読むのか、と思っていたが、

英語で書かれたものを読むなら英語の勉強になり悪くは無い。


栄作は真輔の話を聞いて、

当面は好きにさせようという気持ちになっている。




「ホームズだからストーリーは知っているけど… 

でも、訳者と僕の気持ちは違うかも知れないから、

楽しみだよ。」



「そうか… 自転車で行くのか。

気をつけて行けよ。」


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