真輔の風
たまに授業をサボって裏山で一緒に昼寝か話をしているが、
真輔の波長は…
授業は平気でサボる、と言うか、
よく保健室で寝ている.
カバンに教科書さえも入っていないときもある。
話す話題は推理小説の感想が多い。
ミステリーが好きなようだ。
そうなのだ。
真輔が気が向くと親しげに話しかけてくる。
一応は友人のような顔をして応じているが…
龍雄にすれば、
よく分からない、
得体の知れないところのある真輔だった。
が、何となく気になり、
無視することも出来ない存在。
そんなところだ。
真輔が保健室で寝ているのは、
前夜小説を読みすぎて、
睡眠不足だったからと言っている。
学校の勉強は興味が無いようだが、
成績は悪くない。
怖いもの知らずのところがあり頼もしい気もするが、
話していると、どこか波長が崩れ、
幼い感じがする。
とにかく龍雄は真輔を自分の生活に入れるつもりにはなれない。
が、とにかく友達だ、
と思う事にしている。