真輔の風

龍雄にしても、
裸にされて、男たちにいたぶられていた女が

級友だとは考えたくはない。

吉沢百合子… あいつがあそこにいた女だったのか。

分からない。


しゃべりすぎた。

龍雄の顔に苦痛の色が出ている。

安静にしなくては… 

二人は龍雄の顔を見て病室を後にする事を決めた。




「龍雄、今日は帰る。ゆっくり休んでくれ。
気が付いて嬉しいよ。
明日また来るから安静にしていろよ。」




真輔と信一は、看護師に帰る事を伝えて病室を後にした。


手がかりはつかめた。

川崎茜に聞いてみよう。

怒られるかも知れないが… 仕方がない。



時刻は六時半。

夕食の七時にはとても帰れない。

真輔は祖母に電話を入れて、

龍雄の意識が戻ったことも話し、

今日はまだすることがあるから外で食べると伝えた。


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