真輔の風
祖父母は… きちんと連絡をすれば何も詮索をせず
真輔の人格を尊重してくれている。
「これでよし。信一、お前どうする。」
「こうなったら俺も付き合う。
川崎茜の名前など出して…
龍雄はまだ頭が治っていないようだ。
でも、何か聞けるかも知れない。
女はいろいろな情報を持っているから… 」
二人の間では川崎茜が援助交際に関っている事など論外だった。
それでも何か情報収集が出来るかも知らない、
ということで会いに行く事にした。
「そうか。じゃあ、先にあそこで何か食べよう。
僕も生徒手帳のことを考えれば吉沢が無関係とは思えない。」
「おばさん、こんばんは。」
真輔は西神中央駅商店街のはずれにある
川崎昌代のブティックを訪ねた。
祖母と出かけたとき、時々寄っていた真輔だ。
茜と会うことは無かったが…
そうなのだ。
真輔は高校生になっても、よく祖母と出かけていた。
声をかけられると、つい一緒に行きたくなる。
おばあちゃんっ子真輔の普通の姿だ。
自分がしたいことをしているだけだから、
他人の目は気にならない。