一方通行な恋心
「僕は西條 輝臣。たぶん、最初にやった自己紹介を覚えてないと思うから、再度、自己紹介しておくね」
西條さんが、にこっと笑う。
黒色のポロシャツにジーパン姿の西條さん。とくにこれがお洒落ってわけじゃないけれど、清潔感のある着こなしについ目がいってしまう。
西條さんに言われた通り、最初にやった自己紹介なんて覚えてない。
最初から覚えようと男性たちを見てなかったし。初めての合コンってことで、かなり緊張してた。
お酒を飲んだら、場が和んで、会話も弾むから! と美雪ちゃんに教えてもらっていたけれど。
場が和んでも、私自身の合コンの場に馴染みきれてなかった。
「西條さん……ですか」
「テルでいいよ。で、彼氏は?」
「どうしてもその質問に答えないとダメなんでしょうか?」
私の質問に、西條さんが苦笑した。
「ダメ……ってわけじゃないけど。彼氏いる人に、普通、コクれないでしょ」
「ああ……そうですよね」
私は何度も頷いた。
「で? 桜ちゃんは」
「彼氏はいません。でも、好きな人ならいます」
「望みは?」
「望み?」
私は西條さんの顔を見た。
西條さんが、にこっと笑う。
黒色のポロシャツにジーパン姿の西條さん。とくにこれがお洒落ってわけじゃないけれど、清潔感のある着こなしについ目がいってしまう。
西條さんに言われた通り、最初にやった自己紹介なんて覚えてない。
最初から覚えようと男性たちを見てなかったし。初めての合コンってことで、かなり緊張してた。
お酒を飲んだら、場が和んで、会話も弾むから! と美雪ちゃんに教えてもらっていたけれど。
場が和んでも、私自身の合コンの場に馴染みきれてなかった。
「西條さん……ですか」
「テルでいいよ。で、彼氏は?」
「どうしてもその質問に答えないとダメなんでしょうか?」
私の質問に、西條さんが苦笑した。
「ダメ……ってわけじゃないけど。彼氏いる人に、普通、コクれないでしょ」
「ああ……そうですよね」
私は何度も頷いた。
「で? 桜ちゃんは」
「彼氏はいません。でも、好きな人ならいます」
「望みは?」
「望み?」
私は西條さんの顔を見た。