一方通行な恋心
「はあぁ……」と私は洗面所の手洗い場で、深い息を吐き出した。
合コンはとても緊張する場所だ。
こんなふうに、他人に対してドキマギさせられたのは久しぶり。
西條さんは悪い人じゃないけれど、急にドキドキさせてくるから心臓に悪い。
「なんだか良い雰囲気な人がいたじゃなーい。テルさんだっけ? もうメルアドは交換したの?」
レストルームに入ってきた美雪ちゃんが、私の隣に立つとツンっと肩を突いてきた。
「あ……えっと。なんていうか、ねえ」
私は曖昧に返事をすると、首を横に倒した。
「テルさん、なかなかのイケメンだし、付き合うことも念頭において、友達になるのもいいんじゃない? テルさん、桜に気があるっぽいしぃ」
ウリウリぃと肩を小突いてくる美雪ちゃんに、私は「うーん」とさらに首を倒した。
「西條さんは悪い人じゃないと思う。良い人なんだと思う。でも私は、霧島君が好きで……その気持ちはそう簡単には変わらないと思うの」
私は手洗い場で、鏡に映る己を見つめた。
合コンはとても緊張する場所だ。
こんなふうに、他人に対してドキマギさせられたのは久しぶり。
西條さんは悪い人じゃないけれど、急にドキドキさせてくるから心臓に悪い。
「なんだか良い雰囲気な人がいたじゃなーい。テルさんだっけ? もうメルアドは交換したの?」
レストルームに入ってきた美雪ちゃんが、私の隣に立つとツンっと肩を突いてきた。
「あ……えっと。なんていうか、ねえ」
私は曖昧に返事をすると、首を横に倒した。
「テルさん、なかなかのイケメンだし、付き合うことも念頭において、友達になるのもいいんじゃない? テルさん、桜に気があるっぽいしぃ」
ウリウリぃと肩を小突いてくる美雪ちゃんに、私は「うーん」とさらに首を倒した。
「西條さんは悪い人じゃないと思う。良い人なんだと思う。でも私は、霧島君が好きで……その気持ちはそう簡単には変わらないと思うの」
私は手洗い場で、鏡に映る己を見つめた。