一方通行な恋心
「園崎さーん!」

公開練習後、私がK大を後にしようとすると、三崎さんに呼び止められた

K大の校内で、足を止めた私は振り返ると、三崎さんにぺこりと頭をさげた

「やっぱり、園崎さんだ。先週も来てたでしょ? 雰囲気が違うから、最初はわからなかったよ。でも霧島がさ、『あれは園崎だ』って言うから。声をかけてみたの」

え?

霧島君に気づかれてた?

カメラの視線は、私を見たってこと?

「久しぶりです、三崎さん」

「霧島に用事? 呼んでこようか?」

三崎さんが、体育館を指でさしながら笑顔で聞いてくる

私は慌てて首を振った

「そんな…いいよ。ただ見に来ただけだから」

「遠慮する必要ないじゃん。同じ高校だったんだから。ちょっと、待ってて。呼んでくる」

「み…三崎さんっ」

私は三崎さんの腕を掴んで、引き留めようとしたけど、三崎さんは走って体育館に戻って行った

そんな…だって…困るよ

霧島君と話をするなんて

あの告白以来、一度も話をしてないのに

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