一方通行な恋心
心の準備もままならないまま、三崎さんが霧島君の腕をぐいぐいと引っ張って体育館から出てきた

私の顔が一気に熱くなる

待って…どうしよう

霧島君が来たっ!

何を話せばいいの?

私は前髪を整えながら、気持ちを落ち着かせようと深呼吸を繰り返した

「霧島、連れてきたよ! 一緒にランチでもしてくれば?」

三崎さんがにこにこと笑って、霧島君の肩をバシッと叩いてから、私たちから離れて行った

「あ…えっと、その……すみません」

私は深々と頭を下げた

「なんで謝るの?」

「だって練習中なのに」

「今は休憩中。昼、食ったらまた練習だけど」

「だから、ごめんなさい」

「ああ、練習を邪魔してっていう意味か。別に邪魔されてねえし。謝らなくていい」

口調は高校生のころと変わってないみたい

私は霧島君にもう一度、頭をさげるとじっと霧島君のジャージをのロゴを眺めた

どうしよう…これからどうすればいいの?

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