桜の木の下で。
「・・・ほらよ。これで、大丈夫」
「ありがとう・・・」
彼女は少し、寂しそうな顔をしていた。
「・・・時々、走って良いからな」
「え?」
「・・・俺、お前が走ってる所・・・初めて見たけど・・・東雲、お前には・・・やっぱり・・・必要なんだよ・・・陸上が」
「・・・先生・・・」
「はい、いちゃつくの禁止!」
橘が保健室に入って来た。
「いちゃついてないし!」
俺は東雲の顔が赤くなるのが解った。
「・・・」

「・・・真山」
「ん?」
「・・・悪いけど、東雲には関わんな」
「・・・何でだ?」
「東雲は俺のモンだ!」
「・・・それって・・・お前はアイツの事好きだって言うのか?」
「・・・ああ」
その時だった。
「お前にアイツは守れねぇよ」
「どう言う意味だよ!!」
「・・・お前の過去を知ったらな」
「・・・!!」
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