桜の木の下で。
大野先生は服のにおいを嗅いだ。
「やっぱ、リセッシュしても意味無いかぁ~・・・」
大野先生は開き直った。
「それと、もう1つ聞きたい事、あるんですけど・・・」
「ん?」
「・・・何で、教師になったんですか?」
「ん~・・・。解んねぇ・・・」
大野先生は少し、嫌な顔をした。
「・・・ごめんなさい。聞いちゃいけませんでしたか?」
「ううん。東雲は悪くない」
大野先生は私の頭をポンポンと叩いた。
「明日から新入生オリエンテーションあるから早く寝るんだぞ?」
大野先生はそう言うと、部屋を出て行った。
「・・・っ・・・///」
次の日。
HRの開始時間は8時半。
1時間半前に起き、寮内にある食堂で朝食を食べた。
そして、部屋に戻り、制服に着替え、寮を出たのは・・・8時。
教室に着いたのは、8時10分。
教室には昨日知り合ったクラスメイトが10人ぐらい居た。
「あ、東雲さんだよね?」
「あ、うん・・・」
日本人形みないな髪の毛をした、クラスメイトが話しかけて来た。
「私、橘有子!部屋、仁菜の隣なんだ!」
何故上・・・いきなり、呼び捨て?
「そうなんだ・・・。宜しくね・・・」
私は自分の席に行った。
「ねぇ、今日一緒に部活動見学しに行こう!?」
「え・・・?」
「1人で行くよりも2人で行った方が楽しいって!」
「まぁ、うん・・・」

「大野先生って、陸上部顧問なんだね~」
「・・・うん」
「大野先生って、彼女いるのかな・・・」
「居るんじゃないのかな・・・。居てもおかしくないし・・・」
私の曖昧な返答・・・。
「お、東雲と橘っ!」
「あ、大野せんせぇ~!!」
有子は大野先生に手を振った。
「部活動見学か?」
「あ、はい!」
多分、有子は・・・大野先生の事が好きなんだろう。
「・・・他の部活、見たか?」
「いいえ。まだです」
有子はハキハキと答える。
「じゃぁ、体育館に行ってみたらどうだ?バレー部、バスケ部が練習してると思うから」
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