桜の木の下で。
「ちょっ、他の学校って・・・!」
「五十嵐の事もあっただろ?それに・・・」
大野先生が言いたい事は解る。
去年の夏合宿の時に五十嵐を殴った事・・・。
そして、真山先生を殴った事・・・。
「去年は五十嵐が悪かったから・・・謹慎だけで済んだけど・・・今回はな」」
「・・・大野先生は悪くないよっ!悪いのは真山先生の方なんだから!!」
「東雲・・・」
「それに・・・それに・・・!!」
その時だった。
大野先生は私を抱き締めた。
「大野先生・・・?」
「・・・大丈夫。また会えるよ・・・」
「・・・大野先生・・・」
「・・・だから・・・信じろ」
「大野せんせ・・・」
私の頬には涙が伝っていた。
「・・・仁菜」
初めて名前を呼ばれた。
「っ・・・」
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