桜の木の下で。

君の傍で。

17歳の春。
私は大好きな人にプロポーズされました。
「せーんせ♪」
「よぉ。挨拶は済んだか?」
いつもの場所でいつもの格好で・・・先生は私を待っていてくれた。
「うん」
「・・・行くか」
「うん!」
私は先生との結婚を選んだ。
だから、学校は辞めた。
辞めたと言っても、自主退学じゃない。
通信制の高校に転入するだけ。
だから、私の高校生生活はまだ終わらない・・・。
そうそう、先生は3週間の謹慎。
それで、あの人・梨田先生は謹慎1ヶ月&他の学校に転勤。
先生曰く、「自業自得」って言ってた。
先生は最近、私を”仁菜”って読んでくれるようになった。
私は相変わらず”先生”って読んでるけど・・・。
だって、癖なんだもん!
って言うのは嘘。
ただ、恥しいだけ。
”雄也”って言うのがね(笑)
「ん?どうした?」
「ううん。何でも無い」
そう言ば、先生、前に言ってたよね?
《「桜の木の下で会おう」》って・・・。
あれって、私が高校を卒業したら・・・あそこで、プロポーズする気だったの!?


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