桜の木の下で。
「・・・さっきはキツイ事、言って悪かったな」
「いいえ。集中しなかった私が悪いんです・・・」
「・・・東雲、何で・・・また、陸上やろうとしたんだ?」
「え?」
「・・・お姉さんに聞いた。中学ん時・・・怪我して・・・陸上出来なくなったのに・・・何で、また陸上をやろうとするんだ?」
「・・・解んないです」
私はベッドに腰掛けた。
「・・・でも・・・先生が居るから・・・やろうと思ったのかもしれないです」
「え・・・?」
「先生が・・・居るからなんだと思います・・・」
「・・・東雲・・・」
「・・・もう、競技には・・・選手として参加出来ないけど・・・少しでも、陸上に恩返しがしたいって思ったのかも」
「・・・東雲、前に俺に聞いたよな?”何で、教師になったのか”って・・・」
「・・・はい」
「・・・俺、”教師”って言う職業が一番大嫌いだった」
「そうなんですか?」
「・・・ああ。俺の担任が不祥事起こしてなぁ・・・。俺らを裏切ったんだ」
「・・・そんな事があったのに・・・何でなんですか?」
「・・・その担任の娘さんに言われたんだ。『父は亡くなる最期まで、大野さん達の事を心配してました』って・・・」
「・・・」
「・・・だから、思った。どんなに最悪な教師でも・・・最後まで生徒の心配をするおせっかい教師なんだって・・・」
「だから、教師になろうって?」
「・・・まぁ、30%の理由がな。残りの70%の理由は・・・死んだ担任の遺志を引き継ぎたいと思ったんだ」
「・・・先生らしくない発言かも」
「何だよそれ・・・」
「・・・あ、そうだ。先生、陸上部の夏季合宿に・・・有子も一緒に同行させてもらえないでしょうか?」
「・・・橘をか?」
「はい。無理なら・・・私から断わっておきますけど・・・」
「・・・東雲」
「はい?」
「橘に明日、職員室に来るように言ってくれないか?」
「え・・・?」
「・・・橘も一緒に連れて行くよ。夏期合宿に」
「先生~!」
「いいえ。集中しなかった私が悪いんです・・・」
「・・・東雲、何で・・・また、陸上やろうとしたんだ?」
「え?」
「・・・お姉さんに聞いた。中学ん時・・・怪我して・・・陸上出来なくなったのに・・・何で、また陸上をやろうとするんだ?」
「・・・解んないです」
私はベッドに腰掛けた。
「・・・でも・・・先生が居るから・・・やろうと思ったのかもしれないです」
「え・・・?」
「先生が・・・居るからなんだと思います・・・」
「・・・東雲・・・」
「・・・もう、競技には・・・選手として参加出来ないけど・・・少しでも、陸上に恩返しがしたいって思ったのかも」
「・・・東雲、前に俺に聞いたよな?”何で、教師になったのか”って・・・」
「・・・はい」
「・・・俺、”教師”って言う職業が一番大嫌いだった」
「そうなんですか?」
「・・・ああ。俺の担任が不祥事起こしてなぁ・・・。俺らを裏切ったんだ」
「・・・そんな事があったのに・・・何でなんですか?」
「・・・その担任の娘さんに言われたんだ。『父は亡くなる最期まで、大野さん達の事を心配してました』って・・・」
「・・・」
「・・・だから、思った。どんなに最悪な教師でも・・・最後まで生徒の心配をするおせっかい教師なんだって・・・」
「だから、教師になろうって?」
「・・・まぁ、30%の理由がな。残りの70%の理由は・・・死んだ担任の遺志を引き継ぎたいと思ったんだ」
「・・・先生らしくない発言かも」
「何だよそれ・・・」
「・・・あ、そうだ。先生、陸上部の夏季合宿に・・・有子も一緒に同行させてもらえないでしょうか?」
「・・・橘をか?」
「はい。無理なら・・・私から断わっておきますけど・・・」
「・・・東雲」
「はい?」
「橘に明日、職員室に来るように言ってくれないか?」
「え・・・?」
「・・・橘も一緒に連れて行くよ。夏期合宿に」
「先生~!」