ほんとうの卒業

雪華『ミルクティしかなかったよ―。お菓子は適当に持ってきたぁ』

ペットボトルのミルクティと、お菓子を数袋抱えて雪華が戻って来る。


優愛『ありがとう。これ好き―!』

祥吾『優愛!みんな待ってるし、間に合わなくなるぞ?』

雪華『みんな?どっか行くの?』

祥吾『あぁ…、優愛の親と飯食いに行くんだよ』

雪華『親公認だしね』

優愛『パパとママに祥吾盗られそうだもん』

雪華『うらやましい―――!!』

優愛『雪華も早く彼氏つくりなよ!あっ!!博愛の制服着てる雪華みた―い!!』

雪華『ん?いいよ。雪華も誰かに見せたかったの』


雪華は笑顔を浮かべ鼻歌を歌いながら、姿見の前でリボンを付けている。

くるりと振り返り
雪華『完璧』


白のセーラー服に紺襟、青い小さなリボン。
色白で、髪の毛はうっすら栗色のふるい巻き髪の雪華が着ると、お人形のように見える。


優愛『可愛い!!雪華が着ると倍可愛い』

祥吾は立ち上がり雪華に近寄る。
祥吾『これは―、認めるわ…。可愛い過ぎる…なっ?制服』

雪華『優愛ありがとう!!祥吾…、うぜえー!!』

優愛『あ――!写メしょ』


優愛はカバンの中の何かを握りしめている。
真顔になり『よし』と、小さく呟いた。

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