恋の音楽
「えーっと、イヤホン、イヤホンっと」
イヤホンを差し込んで、スイッチを入れる。
「・・・・♪〜♪」
聞こえる音を感じながらも、聞いていく。
「・・・・っ!」
ドラムのソロを聞くと、荒削りだけど鳥肌が立った。
そして、終わった。
「何だろう」
まだまだバンド全体としては、荒削りな部分があるけど。
「こいつらは必ず売れる。」
「春風ちゃん、どうだった?」
「アタシ、こいつらに会ってきます」
「は?でも、まだまだだろう。」
「確かに、バンドとしてはまだまだですけど、個人としては凄いですよ」
「そこまで言うなんてね。」
「それじゃぁ行ってきます!」
急いでコートを取って扉へ向かうのだが、後ろから
「おい、江波!今から会議だぞ」
部長から呼び止められてしまったのだった。
「部長、お腹痛いので早退します」
「うそつけ!おい、江波ー!!」