恋の音楽
「1、2、123」
カウントから始まった演奏。
デモテープで聞いたものと一緒だけど、やっぱり生の演奏は全然違う。
可愛い顔の彼がボーカル
金髪の彼がギター
女の子がベース
身長が高い彼がドラム
そして終わった。
パチパチパチ
「ね、どうだった?」
「やっぱりね。正直言って、多分結成して3年くらいじゃない?」
「確かに、3年だけど」
「荒削りな部分はたくさんあるよ、バンドとしては。」
「まだまだですね」
「でも、個人としてはボーカルの彼は声域も凄いし、上手いよ」
「やったね♪♪」
「ギターとベースは、まだ初めて3年でしょ?3年にしては、凄い上達」
「マジで?!」
「もっと頑張らなければ」
「でも、一番はドラム。プロ並みの実力があると思う」
「・・・・」
そう。個人としては完璧な彼等なんだ。
「正直言って、ドラムの子はすぐにでも引き抜きたいよ。でも、アタシはあんた達を、LIFEをデビューさせたい」
こんなに思ったのは久しぶりかもしれない。