現代☆妖怪術
 「誰だよ?」
 {ご主人様のしもべです}
 {我が主、名前を教えて。私たちが見えるようになってもらわないと・・・}
 知らない人に名前と住所を教えないと小さいときから習ったのでそれを実施した。
 「聞こえない聞こえない・・・」
 {あ。待ってぇ~~~!!}

 どれだけ遠回りをしても付いてくる。
 「・・・あのさ、家には入らないでくれる?」
 返事はない。
 「なぁ、聞いてるか?」
 「キヨ君?どうしたの?」
 隣のおばさんが話しかけてきた。
 「何かあったの?」
 「い、いえ。ただの独り言です・・・」
 この時、僕はヒーローだった。
 「何か悩みがあるなら言ってね。おばさんも力になってあげるからね!」
 そのままおばさんは近くのスーパーに買い物に行った。
 この時、真っ赤になっていただろうな・・・。
 「ただいま・・・」
 「お帰りなさいませ。ご主人様」
 瑠璃歌さんのご登場。
 「ご主人様、元気がないようですが、今日のおやつのクレープお嫌いですか?」
 まさかのクレープキタ~~!!
 「いや、大好きだからあとで部屋に運んでおいて」
 「かしこまりました」
 階段を上って部屋のドアをあけると知らない人が座っていた。
 「~~~~~!!!」
 「あ、我が主!久しい。先にあがっておいたよ」
 猫耳?しかも尻尾生えてる・・・。
 着物着てるし・・・。でも美人。どうして片方の顔を仮面で隠しているのだろうか?
 「ご主人様。お気を悪くされましたか?」
 今度は翼の生えた小さな男の子だ。
 こっちは袴はいて人形みたいだ。
 「・・・誰でしょうか?」
 「え?さっき会ったじゃないですか」
 「まさか・・・」
 「そうよ。私たちは外に出ると見えなくなるの」
 「ですが『契約』をすれば外でも中でも見ることができますよ」
 コンコン
 「うわぁっ!だ、誰!?」
 「瑠璃歌です。おやつを持ってまいりました」
 瑠璃歌には隠しておくべきなのか、と迷うがこの部屋は人を二人も匿うスペースはない。
 覚悟を決めて扉をあける。
 「失礼します」
 「あのですね、瑠璃歌サン?これには湖の底よりも深いワケが・・・」
 瑠璃歌は清明を不思議そうにみた。
 「ご主人様?どうなされましたか?」
 「え?」



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