歪みゲーム





彪也さんの眉も少しだけピクッと動いたから、気づいたのだろう。


この言葉の違和感に。


「ポニーさん。あなた、今何と言いましたか?」


私は聞き返す。


彪也さんは、こちらを見て笑っていた。


「だから、生け贄になる人は死ぬって…、あ…」


ポニーさんも気づいたようだ。


「なんで、生け贄になった人が死ぬって知ってるんですか?」


「そ、それは…。よ、予想よ!今までだってそうだったじゃない…!」


「今まで?私たち、まだ第1ゲームしか行ってませんよ?ただ、狼と主催者を当てるだけのゲーム。生け贄とは全く関係がないじゃないですか」


「そ、それは…」


ポニーさんは、目に涙を浮かべている。


困っている、というよりは、怖がっている、のほうが合ってるかもしれない。




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