歪みゲーム
「ポニー、俺が言っといてあげるからさぁ………
死んで」
シュッ
ゴーン ゴーン
その言葉と同時に、彪也さんはナイフを投げ、時計の針は12時を指した。
一瞬だった。
皆が鐘の音に気をとられている間に、一人が刺された。
「あれ~?歌い手にあたっちゃったよ」
彼はあざ笑うようにして歌い手を見つめた。
あの一瞬で、ポニーさんはナイフをよけ、後ろにいた歌い手さんに当たった。
なぜ?
歌い手さんから彪也さんの距離なら、十分に避けることが出来たはず。
歌い手さんは、なぜ避けなかった?
………そういえば、朝歌い手さんの朝食だけ変だった。
少し、粉っぽいのが入っていた。
…まさか、薬?
しびれ薬とか、そういうやつ?
でも、薬屋さんはもう死んだ。
ならば、誰かが薬屋さんから薬を奪った?
一体誰が…?
いや、同室だった王子がいるじゃない。
王子が、奪った。