歪みゲーム





私は、王子を見た。


しかし、アキラの手によって目隠しされてしまった。


「まあみ、リュウなんか見るな」


なぜか、アキラの声は真剣な声だった。


バンッ ババンッ バンッ


なにか音が聞こえた。


「アキラ、どうしたの?なんの音?」


「…見たいか?」


「うん」


アキラは、少ししてから手をどかしてくれた。


しかし、そこには信じられない光景があった。


「………」


ナイフが刺さってる歌い手さんに、さらに何発か撃たれた後があった。


おそらく、彪也さんだろう。


彪也さんが銃を持っている。


でも、でも…


ポニーさんと王子まで撃たれていた。


「……………なん、で」


私は、今出る精一杯の声で言った。


実際、そんなにショックは受けていなかったが、なぜ王子が撃たれたか考えていた。






< 110 / 188 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop