歪みゲーム
“4人とも、話があるんだ”
“なにー?ヨウさん”
“俺とヨウは、二人で生活することになった”
“ちょ、まひろー。嘘言わないでよー”
“まあみちゃん。本当なんだ”
“え………?”
“兄さん、なんで?”
“俺たちも20過ぎた。仕事しに、ちょっと遠くへ行く”
“じゃあ、私たちは?私たちはどうするの?まだ仕事できる年じゃないし、料理だって作れない”
“大丈夫。まあみなら出来る。絶対”
“……まひろ。じゃあ、また二人に会える”
“あぁ。会えるよ。絶対会える”
“だから4人で待っててね。まあみちゃん、家事は大変だけど、頑張ってね”
“………っ、ぐ。いつか…。いつか絶対、会おうね…っ”
“あぁ、絶対だ。ユウ、こいつらのこと頼んだ”
“まひろ、さっ…”
“泣くなよ~。男は、別れるまで泣いちゃいけねぇんだ”
“…っ。じゃあ、はやく出ていけ…”
“………じゃあな。俺らのこと忘れんなよ。またどっかで、絶対会おうな。絶対だ!!”
そう言ってまひろは外へ出た。
きっと、もう泣いているんだろう。
“ユウ。頬の×印、消えなかったな…。でも、僕たちは繋がってる。まだお前は17だ。でも、頑張ってくれ…っ”
ヨウさんは、それだけ言って家を出て行った。
私たちは泣いた。
普段泣かない私たちが、大声をあげて泣いた。
また会える。絶対。
その言葉だけを信じて。