歪みゲーム
「うあぁぁぁぁあ!」
「!?」
カプセルの中からは悲鳴が聞こえた。
チェシャ猫さん…。
『生け贄、一人目完了です。もう一人決めて下さい』
叫び声が聞こえなくなった頃、人形の声が聞こえた。
「……………」
「………………」
誰一人口を開かない中、一人呑気な男がいた。
「いやぁ、感動感動。好きな女を守るため、自分が犠牲にね~」
彪也さんは、一人ペラペラと喋る。
「こんなウサ耳はやした女なんてね~。そのために死んじゃうなんて、誰も予想しなかったよね。だから人間は面白いよ、やめられない」
彪也さんが、本格的にうざい。
最低だよ、この人。
本当に最低。
私は、改めて歪みゲームの恐ろしさを知った。
【生存者 残り8名】