歪みゲーム
みんなで割り箸を引いた。
「王様は…私」
黒闇だ。
黒闇が、紙を引いた。
隣からツバを飲む音がよく聞こえた。
「………2番が、笑う」
…………なんだ?
変な命令だな。
2番は、姉だった。
「わ、私…笑えない!」
姉が叫んだ。
「なんでだ?」
「お、お姉ちゃんは…」
「やめて拓磨!」
なんだなんだ。
一体、こいつらの過去には何があったんだ。
「私は…」
「ゴチャゴチャとうるさいなぁ。やらなきゃゲームオーバーになるんじゃないの?」
彪也の言葉に、姉とチビの顔は青ざめる。
でも、しばらくしてから姉は少しだけ笑った。
やはり、人間は死にたくないのだろう。
嫌なことから逃げ、なにかにあたる。
あの人もそうだった。