歪みゲーム
「でも、目の前でお姉ちゃんが死んだのよ。私は笑えなかった」
あぁ、だからあの命令のときあんなに…。
「そうしたら、タクマが自分の口を少しだけ切って、自分も笑えなくなるようにしたのよ…」
なんてやろうだ。
でも、それって姉のことがそれだけ好きだったって事だよな。
「うぅ、っ…」
いつの間にか姉は座り込んで、泣いていた。
「ちょっとぉ~。しんみりしちゃったよ、はやくやろうよ」
彪也は笑っていた。
なんでこんなに笑ってられんだ、こいつ。
それからも王様ゲームが続いた。
そして、残り2枚になったが、俺は違和感を感じていた。
なんで俺だけ、あたらないんだ…?
王様にならなければ、命令されることもない。
きっと皆も気づいてるはずだ。
「王様は…私」
黒闇だった。
残り2枚、あたらなければ嬉しいが、怪しいだろう。
黒闇が紙を引いた。
「………2番、帽子を脱ぐ」
……………!!
2番………俺だ。
「私、違うわ」
「俺も違うねぇ」
「じゃあ…」
みんなが俺の方を見た。
脱ぐのか?帽子を?
×印の傷を、みんなに見られるのか…?