歪みゲーム





が、


「なーんてね」


アキラはそう言って、私からバトンを奪った。


「俺の次、リュウだし」


そう言って王子にバトンを投げる。


「………」


王子は無言でバトンを取り、無言で圭さんにバトンを投げた。


「うわ、っと…」


圭さんはそう言って、バトンを受け取ってしまった。


「し、白ウサギ…!」


私もバトンを受け取ってしまった。


不覚。


次は彪也さんだよね…。


私は彪也さんにバトンを渡そうと、ぐるりと部屋中を見渡す。


「………あれ?」


いない……。


彪也さんが、部屋の中にいない。


「………舘澤は、逃げたよ」


王子がボソッと呟いた。


「どういうこと?」


「…まだ、分からない?これは、リレーなのよ」


黒闇が言う。


そうか、バトンを渡さなきゃ…。


彪也さんを、探さなきゃ…!


私は、走って部屋を出て行った。





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