歪みゲーム





彪也さんの手が私の髪を触る。


そして…


「ほら、あるじゃん。人間の耳」


バレた…。


「不思議なことに、君たちの情報が全くなかったんだ。でも、ちょっと気になって言ってみたんだ、耳のこと。本当にあるとは思わなかったけどね~」


私は思わず絶句した。


この男、すごく頭がいい。


普通、ウサ耳が見えているのだから、もう一つ耳があるとは思わないのに…。


「白ウサギ、お前に何があった?教えてよ」


これも、質問…。


私が、誰にも話したことがない事実。


誰にも話したくなかったことを、この男に言わなくてはいけないのか…。





< 166 / 188 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop