歪みゲーム
彪也さんの手が私の髪を触る。
そして…
「ほら、あるじゃん。人間の耳」
バレた…。
「不思議なことに、君たちの情報が全くなかったんだ。でも、ちょっと気になって言ってみたんだ、耳のこと。本当にあるとは思わなかったけどね~」
私は思わず絶句した。
この男、すごく頭がいい。
普通、ウサ耳が見えているのだから、もう一つ耳があるとは思わないのに…。
「白ウサギ、お前に何があった?教えてよ」
これも、質問…。
私が、誰にも話したことがない事実。
誰にも話したくなかったことを、この男に言わなくてはいけないのか…。