歪みゲーム





女王の方を見ると、喜んだ顔をしていた。


『女王様、途中棄権なさいますか?』


「するわ!途中棄権するわ!」


え?やめちゃうの?


ちょっと残念。


『そうですか…。では』


人形がそこまで言うと、私の目の前を何かが通った。


シュ ザッ


「うあ、ぁぁぁあ…!」


チェシャ猫が叫んだ。


チェシャ猫の目の前には、さっきまで生きてたはずの女王。


女王の胸には、大きな槍が刺さっている。


そっか。さっき目の前を通ったのは、槍か。


『女王様、途中棄権なさいました。参加者の皆様は、引き続き第2ゲームをお楽しみ下さい』


人形は、顔が見えないけれど笑ってるように見えた。


怖いね、恐い。


このゲーム、恐いよ。


だから楽しくて、ゾクゾクして、興奮する。





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