歪みゲーム
中には、圭さんと王子とスナイパーさんがいた。
圭さんは少しだけ顔を歪ませたが、王子は顔色一つ変えなかった。
スナイパーさんなんて、ずっと銃を磨いてこちらを見ない。
「兄貴。時雨のこと殺したんだってな」
“時雨”
王子は顔色一つ変えないで言ったが、知り合いなのだろうか。
「睨まないでくれよ、リュウ。あ、王子か。時雨が王子の恋人だったのぐらい…知ってるから」
アキラは目を細めて言うが、笑ってない。
っていうか、王子と時雨ちゃんが恋人だった?
私は王子を見た。
「兄貴に王子と呼ばれるのは気持ち悪い、リュウでいい。それに、そんなことはどうでもいい」
王子はアキラを冷めた目で睨む。