歪みゲーム
しかし、王子は顔色一つ変えない。
それどころか、私の腕を掴んで、ナイフを自分の胸に刺さるギリギリのとこまで近づけた。
「刺してみろよ、白ウサギ」
王子は、私の腕を掴んだまま言った。
震えてないし、普通の力の強さだ。
王子は、本当に死ぬのが怖くないのかも。
いや、私に向ける挑発かな。
「……くすくす。面白いね、リュウ君は。さすがアキラの弟だよ」
私は、思わず笑ってしまった。
王子は、やっぱり必要な駒だった。
だって、こんなに楽しいんだもん。
『参加者の皆様。揃いましたでしょうか?』
そんなとき画面に人形が映った。