歪みゲーム
「ましろ!帽子とメガネをとりなさい!いつまで気にしてんの!」
「うるさいうるさいバカまあみ!少しはお前も気にしろ!」
彼は逃げる。
逃げ続ける。
だってそれが、私たちの宿命だから。
でも、私陸上部だったんだから…負けないわよ。
私は本気で走る。
そして、彼に追いつき帽子とメガネをとった。
帽子の下からは白いウサ耳。
メガネの下には赤い目があった。
彼は、このウサギみたいな姿を気にしている。
「……!?」
みんなは実に驚いた顔をしている。
だって彼は、いや、ましろは私の正真正銘の弟だから。