歪みゲーム
パチ パチ パチ
誰かが手を鳴らした。
「ウサギ達が仲良いのは分かったよ。でも…俺も自己紹介、していいかなぁ?」
全身真っ黒な服を纏った男が言う。
その瞬間、歌い手とポニー、そしてましろの空気が重くなった。
「俺は舘澤 彪也。アダ名は…ないよ。彪也とか舘澤で良いさ」
タチサワ ヒュウヤ。
凄い名前だなぁ。
私が感動していると、彼は言った。
「第1ゲームでさぁ、主催者だった人誰?」
皆は私の方を見る。
皆、と言ってもチェシャ猫と圭さんだけ。
「へぇ…キミ?」
「はい。白野まあみと言います。ましろの姉で、アダ名は白ウサギです」
「ははは。そのまんまだねぇ。俺も主催者だったよ、よろしく」
「えぇ、よろしくお願いします」
彪也さんは、笑いながら言った。
目は、深い深い闇に包まれていて、考えてることが分からなかった。
というか、今さらだけどこの人たちも第1ゲームをやったことがあるんだ。
そして、クリア…か。
ま、ましろもクリアしたのはおめでたいね。