ヒコーキ雲の向こうに・・・
雅人に抱きしめられた…
「ちょっ…」
抵抗したつもりだったけど
雅人の腕はびくともしないであたしを抱きしめている…
「…何泣いてんだよ…」
あたしは自分でも分かんなかったけど…
きっと安心したんだと思う
気がつくと雅人のユニフォームのすそをつかんで泣いていた
「ごめん…」
やばぃ…涙止めなきゃ……
「…泣けよ…」
「…え?」
「まだ誰もこねぇから…」
「…ぅん……」
そう言いながらも涙はもう止まってきていた
「もぅ大丈夫…ありがと…」
雅人がゆっくりとあたしを離した…
「……お前やっぱ兄貴の事…」
「……ぅん……」
「そっか…」
そう言うと雅人は写真を拾い上げた
「気にすんなよ…こいつ等もぅ…別れてるから…」
「え…?」
「じゃぁ……」
そう言って出て行こうとして一言
「…ふっw…お前ひでぇ顔www」
「えっ!?うそっ!やば…///」
慌てて顔を隠すあたしを笑いながら雅人は部室を出た…