☆あたしの隣は俺様芸能人っ?!




「じゃあ行ってくる。」


「‥‥ん」


静かに部屋を出ていく慶太の背中を見つめながら、あたしはまた布団に潜り込んだ。



「‥‥かっこよくない。」



静かな部屋に、あたしの呟きだけが響く。


かっこよくない。
全っ然かっこよくない。


なにが「ファンが待ってる」よ。


ファンのあたしにはこんなことしてるくせに。



「‥‥‥」


‥‥‥‥‥嘘。
かっこよくないなんて嘘。


本当はファンの事を考えてる慶太はかっこいいと思ってる。


でも‥


かっこいいって思ったら、慶太に惚れちゃいそうで怖い。


前までは手の届かない存在だったから諦めてたけど


今は頑張れば届いちゃう距離に慶太がいる。


こんな距離で惚れたら、傷つくのはあたし。

自分だから。


< 39 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop