☆あたしの隣は俺様芸能人っ?!
「じゃあ行ってくる。」
「‥‥ん」
静かに部屋を出ていく慶太の背中を見つめながら、あたしはまた布団に潜り込んだ。
「‥‥かっこよくない。」
静かな部屋に、あたしの呟きだけが響く。
かっこよくない。
全っ然かっこよくない。
なにが「ファンが待ってる」よ。
ファンのあたしにはこんなことしてるくせに。
「‥‥‥」
‥‥‥‥‥嘘。
かっこよくないなんて嘘。
本当はファンの事を考えてる慶太はかっこいいと思ってる。
でも‥
かっこいいって思ったら、慶太に惚れちゃいそうで怖い。
前までは手の届かない存在だったから諦めてたけど
今は頑張れば届いちゃう距離に慶太がいる。
こんな距離で惚れたら、傷つくのはあたし。
自分だから。