徐々に僕は君色に染まっていく

「写真・・・撮るんですか?」
白いワンピースを着た彼女は柔らかい優しい笑顔で
僕に話し掛けてくれた
彼女が振り返った瞬間
淡い栗色の長い髪の毛が揺れて
ラベンダーの優しい香りがした

僕の中で壊れた何かはこの瞬間
ピンク色の何かに変わって
全身に流れはじめた

この感じがとても心地良かった
彼女と出会い溢れ出したピンク色の液体が
何を示したのかを知るのにそう時間はかからなかった


「あっ!すみませんいきなり話しかけたりして」
僕が気を悪くしたと思ってるのか焦った様子だった

『だ、大丈夫大丈夫!
えーっと写真部に入ってるんだ』

「そうなんですか、ここには部活できたんですか?」柔らかい人の良さそうな
笑い方をしながら尋ねてきた

『いいや、来たのは僕だけだよ
君は絵を描くんだね』

「そうなんです」


君が一瞬苦しそうな顔をしたのを
浮かれて顔が火照った僕はみじんも気づいてあげられなかったね

ごめんね
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