月下の恋文
優しい瞳。
月夜の晩は、月の光に照らされる夜空に、アナタの面影を募らせて涙する……



《それは、最初で最後の永遠の恋…》





はじめて貴方を見た日の事を覚えています。


私に向けたわけではないのに、優しい全てを包み込んでしまいそうな、その瞳に恋をした………



人が怖い私をそっと、そして全てを包み込むように貴方はワタシの中に入ってきた…。


近づけば近く程に、貴方の優しさと深い暖かさに涙が自然と溢れ出てとまらない。


冷たい夜を怖がる私に、ゆっくりと脅えさせないように抱きしめてくれるアナタのぬくもりにまた涙した………


《アナタに出会い、私は初めて人を思い涙する事を知りました。》





『大丈夫だよ』『愛している』

冷たい夜の部屋、ベッドの中で月の光を頼りに貴方と一つになる……



月の光を頼りに弱々しく見上げれば、アナタは変わらない優しい瞳のままで、小さな私を映してくれている。


『…ダイスキ?アイシテル?』

その瞳に切なく囁けば、アナタは苦笑しながら私の瞳に『大好きだよ』と、小さなキスを一つして、訳もなく涙する私の頬をひとなですると、『愛しているよ。愛しくて愛しくて、堪らない…。』と、甘く切なく囁いた………




《…ダイスキ。アイシテル。》


人が怖い私に、温かさをくれた。

冷たい月の夜に膝を抱えて小さくなる私を、脅えさせないように抱きしめてくれた。


アナタは私にとって、《最初で最後の永遠の人…》


どうかどうか、私の小さな命尽きるまで、この想いあの人に届いて…



満月の夜、貴方の目によく似た優しい月の光に願い続けるから…………







『ダイスキ?アイシテル?』





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