REAL HOPE Ⅱ

始まった夏




私の身体中の傷も消えたころ




「えーでは、これにて終業式を終わります。」



半袖に身を包む生徒達と、額に汗をためるこんな校長の挨拶で一学期が終了した。



そして始まる……高校二回目の夏休み。



去年の夏休みは何してたっけ?


朝から晩までとにかく街にいたんだっけ?



そんな事をぽけーっと考えながら下駄箱の上履きをビニール袋に突っ込むと


前に見えるミサキの背中。



「ミサキ!じゃーねー」


ミサキはそんな私にひらっと手を上げると、再び前を向いて歩き出した


相変わらず冷たー


まぁいいや、どうせレツの家で会えるし




暑い日射しが差し込む青空の下に出ると



私は今日もカッコイイ紫の車に飛び乗った。







< 228 / 306 >

この作品をシェア

pagetop