REAL HOPE Ⅱ



目の前のレツは、すでに私服姿に変わっていて

私へと一直線に歩いてくる。




「総一郎は今日で引退だ。」



「なんで?」



「何でもだ。」


レツはいたって冷静に私へと言葉を投げ掛ける。


「ヤダ」



そんなの嫌だ



「決まった事だ」


レツは総ちゃんが引退しても寂しくないの?


メンバーの一人がいなくなるのに寂しくないの?



「ヤダァ!!!!」


泣き出す私に、レツは優しい言葉をかける事なんてもちろんなく



「ワガママ言うな。」



私を睨み付けた





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