REAL HOPE Ⅱ
「ジュンちゃんごめんね…本当ならもっと早く言うべきだった。」
目の前の総ちゃんは、私に負けないぐらい泣きそうな顔をしていて
私の涙腺が余計に狂う。
「でも言えなかった。もし言ったら、優しいジュンちゃんは今みたいに今日の暴走を心から楽しめないかもしれないって思て…」
総ちゃんは眉を歪ませて私を見つめる
「でもね、そんなのただの俺の言い訳。本当は引退するって事を自分で認めたくなかっただけなんだ。レツさんやジュンちゃんの運転が今日で最後だなんて思いたくなかった」
「…そうちゃ……」
ヒクヒク肩を揺らす私に、総ちゃんがイカツイ顔を細めてニコリと笑う
「俺、親父の店継ぐんだ。本当は今年の四月卒業してすぐ継ぐはずだったんだけど、どうしてもレツさんの誕生日暴走までは俺がこの車を運転したかった」