REAL HOPE Ⅱ

夜桜の思い出




「……キレ―」



そう呟く私に「なに?」て優しく声をかけてくれるのはもちろんレツじゃなくてハルマ



二人がけソファーに座るレツの肩に背中を預けて寄っ掛かるように座る私の目の前では



ブラウン管の中で綺麗な桜がここぞとばかりに満開に咲いている




「……お花見」



あまりに綺麗でぽけーっと見ていたのか、ハルマがクスリと笑っているのが聞こえる



「お花見好きなの?」




「ううん、行ったことないの。」



ここら辺で桜が満開な所なんてないから見れないし、


家族で出かける事なんてもちろん、友達もろくにいない私は遠出して桜なんて見に行った事がなかった…



そんな私の呟きに反応したのは背中越しのレツ




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