REAL HOPE Ⅱ
「何とか答えたらどうなんだ」
そう言うお父さんが憎くてしかたない。
いや、憎いんじゃなくて
私の胸は虚(ムナ)しいんだ…
こんなにもからっぽな感情を、表向きだけ向けてくる父に…
私はコトンと小さな音を立てて水場にグラスを置くと、
そのままお父さんの横を通り過ぎた。
ほらやっぱり…
父は私を追いかけてこない。
私は玄関に鞄を置いていた事を思い出すと、その鞄を掴んで
玄関を飛び出した。