幕末仮想現実(ﾊﾞｸﾏﾂﾊﾞｰﾁｬﾙﾘｱﾘﾃｨｰ)

３年１組

　｢ごちそうさまっと｣
あ〜、お腹いっぱい。
学校の中で一番充実してるのがやっぱ、お弁当の時間と引き続きの昼休みタイムよねーっ。
あたし、織田芽衣(ｵﾀﾞ ﾒｲ)。高校３年、ちなみに１組。
一緒にお昼を食べてる二人は、不破数衛(ﾌﾜ ｶｽﾞｴ)に薬丸紀子(ﾔｸﾏﾙ ﾉﾘｺ)。
１年の時からずっと同じ組っていう腐れ縁。
うちの学校は、男女の比率が、１対３。
つまり、男の３倍も女がいる。
おかげで、あたしも、数衛も紀ちゃんもあぶれちゃって彼氏がいなーいっ。
ま、正確に言うと、数衛については、今んとこ男と付き合う意思がないってだけで、この綺麗な顔に、長い髪、おまけにスタイル抜群の女には言い寄ってくる男は学校の内外問わず結構いるんだけどね。
紀ちゃんも可愛いんだけど、紀ちゃんてば、頭いいもんだからマジメに見られちゃって、あんまり男が寄ってこない。
本当はかなり天然ボケなんだけどね。
二人の間を取ってあたしが一番モテてもいいようなもんなんだけど、そんなに世の中甘くないみたい。
でまあ、そんな彼氏に縁のない高校生活を送ってしまってるあたしたちは、三人で卒業旅行に行こうねって約束してる。